2016年6月 西表島某所:洞窟調査(ツアーフィールド開拓作業)
ここ西表島を始め全国的にも認知度が上がりつつあるケイビング(洞窟探検)ツアー
知らない方もいるかも知れませんがツアーで使うフィールドやポイントは昔から使いやすく安全だったわけではなく先駆者が地道な努力を積み重ねた結果なのです
そんなツアーで使うフィールドがどのようにして誕生するのかと言うと、まずは「洞窟を見つける」事そして「調査する事」
そんな「リアル開拓」の時間は魂が震える「ガチ探検」の時間なのです、
今日は所属するIOSRのメンバーとスタッフを連れて未調査の洞窟へ出かけてきました
洞窟保護やコウモリ保護、そして事故を未然に防ぐ為に場所を特定できるような公開は行っておりません。
**今回は動画撮影がメインだったためキャプチャー画像しかありません
私は数年前に一度洞口周辺だけは確認したのですが、メンタル的な恐怖と経験不足もあり10Mほどで撤退した場所
今回はメンバーもスタッフも皆(社)日本ケイビングガイド協会のプロガイドライセンスを保持し先月日本屈指の洞窟探検家でもある「吉田勝次」にこの西表島で「新洞探検スキルを叩き込まれた信頼できるメンバー」
一人では限界のある調査や探検も信頼できるメンバーがいるからこそ可能になるわけです
探検中にアクシデントメーカーのMr,Kaiによる「ウナギパニック」&「地震だ~~!パニック」に驚かされながらも往復約500M以上にも及んだ洞窟調査を終えることが出来ました
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生物:オオウナギ/オオゲジゲジ/カマドウマ/手長エビ/等 を確認
コウモリはコキクガシラコウモリを数千の個体確認したがカグラコウモリは確認できず
体積するグアノの量から見ても繁殖活動の為常用している洞窟ではないらしい
***
二次生成物:発達状態は良い:カーテン/石筍/石柱/つらら石/フローストーン/ストローなどは確認できたが特別記載すべきものは無い
形状:海へ抜ける貫通型で途中3つのドームがあり一部迷宮型:流水あり:
直線距離で約200M程度(主洞) 支洞(50〜60M)
今回は目測のみ:測量は行わず
戦跡:確認できず
海へ抜ける素晴らしいルートで最も狭くなる中間地点もリスクの少ないルートで崩落の危険をあまり感じない安定した地盤
ケイビングの醍醐味でもある「匍匐前進」や「半水没水潜りルート」「見事な鍾乳石」「ちょうど良い距離」「暑い夏でも大丈夫なほどの十分すぎる水量」などなど
大きなホールや見所も沢山あり「ツアーフィールド」として十分のポテンシャルを感じた場所でした
ツアーに登場させるにはまだまだ綿密な調査を何度も何度も繰り返し、アクシデントに備えたレスキューシステムの構築など宿題は山積みですが、これからも地道な作業を続けたいと思います。
2016年5月西表島北部新洞調査
2016年5月西表島北部新洞調査
事前準備とトレーニング
昨年行ったフィールド調査で洞口を発見、数回の調査の後初めて洞穴の全体像を把握するための本格的な調査を行いました。私を含む西表島に住むガイド有志で組織するIOSR(西表アウトフィッターセイフティーリサーチ)メンバーだけでは万が一の事態を想定すると力不足は否めないため日本屈指の洞窟探検家でもあり(社)日本ケイビングガイド協会の会長でもある吉田勝次氏にチームリーダーをお願いする事にしました。
多忙な中快く引き受けてください本当に感謝いたします。
今回は西表島の洞窟では珍しく縦穴アプローチになるためメンバー全員がSRT(シングルロープテクニック)のスキル習得が必須のためリーダー来島前にメンバー全員が仕事終わりにSRT訓練を行い基本を体に叩き込みました。
今回は特別に「ケイビングガイド育成講習」も開催して頂けたので、講習と同時進行で新洞探検の為のスキルも講習していただける又と無いチャンスに始めて講習を受けるスタッフやIOSRメンバーの士気も高まります
洞口へ向かう探検隊メンバー
人類未踏の洞窟へ
ジャングルを掻き分けいよいよ洞口へ安全を最大限に配慮した支点を作成しいよいよ入洞、約5Mほど降下してから横移動、新洞であるが故に歩みを進めるその先がどうなているのかさえ分からない恐怖とストレスそして魂が震えるようなドキドキとワクワクの連続です
メンバーの中には竪穴初体験の隊員もいる.緊張の面持ちで他のメンバーを見守る
二次生成物はつらら石や石筍やフローストーンなどごく一般的なものしかなく特別追記するような発見はありませんでしたが長い年月の間に途中で水系が変わり強い酸性の水の影響で溶かされる鍾乳石が多く目につきました
現場現場での講義も行いながら探検は進みます
主洞と並行して支洞が50Mほど伸びそこから基盤岩を深く侵食した中規模のドームへ、上へ伸びるルートはリーダーだけが確認へ入るが天井の落盤の危険がかなり高いと判断されそれ以上の調査は中止、そしてメインの水系をたどり斜め下へと続きます。
このポイントが今回の探検で最も手ごわかった難所中の難所、かなり焦りました
このポイントで特に追記すべきはかなり長期間にわたり住処としているコウモリの数、25Mプールほどの面積の床一面位は数センチにも積もったコウモリグアノ、確認できたコウモリは典型的な熱帯系のコウモリのカグラコウモリでした、目測ですが400~500個体はいたような気がします
西表島にだけ生息するイリオモテキクガシラコウモリは私の見る限り確認は出来ませんでした。
**カグラコウモリについて**
カグラコウモリは典型的な熱帯系のコウモリで、国内ではこの八重山諸島(石垣島、西表島、波照間島など)にしか分布していない。しかし、石垣島においては激減し、波照間島ではほとんど見ることができなくなってしまっていると聞く
八重山諸島はカグラコウモリ科の全種にとっても、突出した分布の北限地らしく。カグラコウモリ科のこの種は、台湾には分布せず、亜種にあたるものが、はるかに離れたマレー半島基部(タイ南部)に生息している。飛翔能力や習性からいって、これだけ遠方への渡りはありえない。つまりカグラコウモリは、この地が大陸と地続きだったことを示す貴重な動物種といえ、生物地理学でいういわゆる遺存種にあたるのである。
西表島内での石灰岩の分布はごくわずかに限られ、他に大洞穴はないとされている、大富第一洞穴は国内唯一、最大規模のコロニーだといえ、熱帯域のものにひけをとらない規模である。
また、カグラコウモリの子育ての様式も大変ユニークである。カグラコウモリが毎夜、決まった採餌基地や採餌園を持ち、待ち伏せ型の狩りを行うことが明らかになった。狩りの獲物は大型の 甲虫や蛾、ゴキブリなどで、体重の3分の1にあたる量を一晩に狩ると言われている。
**世界中で西表島だけに生息するイリオモテキクガシラコウモリ**
一 方、イリオモテキクガシラコウモリは、1980年に新種として報告された小型種で、世界中で唯一、この島にしかいない固有種となっている。もっとも近縁な種は、マレー半島西方海上のアンダマン諸島に分布するアンダマンキクガシラコウモリである。こちらもカグラコウモリ同様、遺存種である。イリオモテキクガ シラコウモリはカグラコウモリとは対照的な密集型のコロニーを形成する。西表島の大富大二洞には毎年、数千頭から1万頭規模の大哺育集団が形成され、集団 加温効果を利用した哺育が行われる。
洞穴にせまる危機
近年西表島ではケイビング(洞窟探検)を含むエコツアーがブームになり始めています、私を始め多くのツアーショップが洞窟をフィールドに様々なツアーを行っているのですが、以前は見かけたはずのコウモリの姿を見かけなくなっていることは確かである、ただコウモリ最大のコロニーがあるとされている大富第一洞窟や第二洞窟などはコウモリ保護の観念からツアーを行う事業所は私の知る限りこの島にはいない
他の洞穴を含め繁殖子育ての為に使われる洞窟はツアーの場所から外すように皆配慮しているつもりではあります。
今回発見した新洞窟のカグラコウモリのコロニーは状況から見ても長期的に繁殖子育ての為に使われている事が明らかな為、場所を明かさない事と今後の入洞は行わない事をメンバー全員で決定しました。
このブログを読んだ方(島在住の方は特に)の中にはある程度の場所を特定できる方もいるかとは思いますが、ルートも複雑でかなり高いリスクがある事、決してツアーで使えるようなポイントではない事、コウモリにストレスにこれ以上ストレスを与えない為に入洞は控えるようにしていただきたいと思っております。
話を戻します
半水没のサンプを抜ける
コウモリコロニーのあるドームよりさらに下へと続く水系をたどる為、ありえないほど狭い穴を匍匐前進で進み続けます、常識では抜けようと思えないような穴もリーダーの判断力のおかげで奥へ奥へと進むことが出来ました。
リーダーがまず偵察 メンバーは待機 OKの声がかかるとその先へ進む ルートは上へ下へと複雑で帰り道が覚えられるか不安になる程ですが、一人ではなく信頼できるリーダーと複数のメンバーがいる心強さで不思議と精神状態は落ち着いていました。
他のメンバーも同じく最も恐怖を感じたと言うチムニーのクライムダウン
後半には崩落激しいドロドロチムニーで下りサンプに近い半水没の匍匐前進を進みさらにチムニーで上がりとかなりアクレシブなルート、どのルートも
増水時に大量の水が流れた跡があり、今山で局地的な大雨が来たら間違いなく水没し脱出不可能になることは確実な場所ばかりにリーダーの表情も真剣さを増します
ほどなくして「外へ抜けるよ~」とリーダーからの声が待機中のメンバーに届く
空が見えるだけのドリーネの下かと思っていたのですが、なんとブッシュの茂みに隠れるような海岸線の岸壁に出る事が出来ました、そこから海へ
今まで感じた事がないような充実感と達成感、高揚感なこれぞケイビングの醍醐味と言える全てが詰まった時間となりました。
地上の世界のアクティビティーにこれほどの興奮をくれる遊びがあるだろうか、人類未踏の世界を探検する事は、まさに地球最後のアドベンチャーなのだ
その後同じ洞窟を戻り全てを撤収し新洞調査を無事にメンバー全員怪我もなく無事故で終えることができた
ガチ探検を終え一安心したところ
西表島を含め八重山諸島では、昭和52年度より3ヶ年計画で文化庁の補助により実態調査が行われていましたが、その当時はまだ発見されていなかった(島の人も知らない)新洞窟が島の石灰岩の下に眠っていることでしょう、
亜熱帯ジャングルの洞窟はお世辞にも快適な空間とは言えず不快な湿度と暑さ、場所により劣悪な水質や悪臭もある、誰も好んで入ろうとは思わないかも知れませんが、今後手付かずの洞窟が島の開発の影響で無くなって行く事は確実だろう 無くなる前にせめて調査し記録だけでも残したいと思います
何より人類未踏の世界をこの足で歩きこの目で見てみたいと強く思うわけであります。誰かが光を当てない限り地下世界に広がる時間と水の芸術空間を人間は見ることが出来ないのですから
レポート:中川隆行
2016年第一次新洞調査:西表島
今年の1月に新たに見つけた洞口の調査に行ってきました、まぁツアーで使えるような洞窟ではありませんが/笑
かなりゾクゾクする内容でした
まず吸い込み口近くから洞窟内の埋没箇所がリギング可能かどうかを調査してきました、鍾乳石の発達具合はまぁまぁ良い感じ 流れる水量も期待大!!なのですが......人力で動かせる石の大きさではなく とりあえず次回までの宿題に
*今回はIOSRメンバー桑原参戦
*フィールド調査や活動は積極的に参加してくれる期待のホープ
そしていよいよ大本命でもある洞口へ!!!!
ここはある程度ロープアクセスなりSRTなりが出来ないと危険大!!!の穴〜♪
このまま石灰岩の隙間を一気に基盤岩まで下降〜〜
堆積するヌルヌル粘土の泥がロープにからみつきディセンダーの扱いが大変でした/汗
いい年したおっさん二人がこんな場所で事故など出すと世の中に迷惑をかけるので、今回は安全対策万全にわずかでも不安を感じたら即撤退する弱虫作戦
上流側のドームにつながるであろうルートは持って行った資機材では足りず支点がうまく取れなかったので確認だけとし次回の宿題に
下流側は横幅3M縦5Mの中規模のドーム 基盤岩をたどりながら水流をたどります
ほどなく縦横50〜60センチ程度の穴になりそこから匍匐前進で突撃〜〜今回の特攻隊長は体の小さな桑原氏にお任せしました〜
劇狭ルートは北側に伸びつつ北西へ向きを変えていくのですがとにかく狭い...
しかも寒い...はず
僕は濡れていないので全然寒くないですけどね〜笑
水量を見る限りこの先に秘められた可能性をたくさん感じた場所
この先は次回(未定ですが)の第二次調査への宿題としました
人が入った痕跡は一切なく新洞であることを確認
大きな収穫はこれといってありませんでしたが、未踏のエリアでしか体験できない良いトレーニングとなりました
長年時間を見つけては調査を続けているこのポイントはまだまだ人類未踏のエリアが眠っている〜
くれぐれもなんですが.....ツアーではこんな過激なことはしませんよ/笑
神秘の世界ケイビングを体験したくなった方は西表島アドベンチャーツアー海歩人へ
西表島本格ケイビングツアー(洞窟探検)動画2
西表島の冬季シーズンに最もオススメグツアー
西表島本格ケイビングツアー(洞窟探検)
本気で冒険したい「大人」にこそ味わっていただきたい!!
西表島ケイビング(洞窟/鍾乳洞探検)ツアー iriomote adventure tour umiacchar
公式WEBサイト
西表島カヌーツアー&トレッキングツアーは海歩人(うみあっちゃー)アドベンチャーツアー
冬季にオススメの本格ケイビング(動画)
西表島の冬季シーズンに最もオススメグツアー
西表島本格ケイビングツアー(洞窟探検)
本気で冒険したい「大人」にこそ味わっていただきたい!!
公式WEBサイト
西表島カヌーツアー&トレッキングツアーは海歩人(うみあっちゃー)アドベンチャーツアー
E-2コース(沢歩きと絶景滝巡り&ケイビング)
上記のコースで体験できます。
ケイビングセッション caving session 2016/01/19
更新が置き去りになっていましたね〜すいません
あまりにもツアーが無いのでガイド仲間と共にとある場所へ エスコート役は八重山では絶滅危惧種レベル的に貴重(良い意味で/笑)なアウトフィッター歴20年選手にして未だ現役ガイドの方
突然のお願いにもかかわらず快く引き受けてくださり大変感謝しております、ありがとうございました
ちゃんとお話しするのは今回が初めてでしたが、フィールド開拓を一から自分自身で行い信念とこだわりを持ち、そして数多くの現場経験値を持ち合わせているガイドにしか出せない貴重なガイディングを体験できました
フィールドは違えどガイド同士であるが故の貴重なケイビングセッションとなりました
あまりにも今後の可能性が大きく美しすぎる鐘乳石が広がるポイントである事と安易な気持ちやうる覚えのスキルで入洞すべきで無いポイントの為、場所が特定できかね無いポイントの映像や音声は全て編集で取り除いておりますので、なんだか意味不明な動画ですか.......😅
急成長する八重山のアウトドアガイドツアーの実情はどこの島も同じ.....悲しくなるで書きませんが..
流行りに乗り、「先駆者」がとてつも無い努力と時間を費やしたフィールドに我が者顔で参入する
まぁ見つけた人の土地では無いので構わ無いのですが、やはり人の道「仁義を欠いちゃこの世は渡れ無い」と思う私もやはり年をとった単なる愚痴が多いジジイなんでしょうね/😅
ただハイキングやトレッキングと違い引率者(ガイド)に求められるスキルや抱えるリスクが大きいのは確かであるケイビング(リアル洞窟探検)というアクティビティー
これからも様々な場所で様々なガイドの方と交流を持ち、共に学び
同行させるゲストを見え無い危険にさらす事無く、クオリティーの高い感動体験を提供し洞窟の保全の意識が高められる様なガイディング技術の向上に励む事を心に刻んだ1日となりました
シニア世代も大歓迎
海歩人のケイビングツアーの参加条件は60代までとなっているので参加を諦めている方も多いかと思いますが
登山ブームの昨今、山に登ると若い世代よりシニア世代を見る機会が多いです、今のシニアの方は普段から登山やスポーツなどをされている方が多く若い人より体力があることもしばしば
そんなアウトドアを行うシニアの方はケイビングツアーへの参加が可能です
年齢制限で参加を諦めようとしている方は是非とも一度お問い合わせくださいませ
海歩人は八重山諸島全域で唯一プロのケイビングガイドが引率する安心と安全、高品質なオンリーワンツアー
期待を裏切らず期待以上体験を貴方に贈ります!!!
きっと期待以上の冒険を味わえるでしょう!
若い頃から様々なアウトドア活動をされ シニアになり海外旅行や世界の秘境と言われる場所へ旅行を重ねると いつの日かいろんな体験や風景は当たり前になり、心から感動したりワクワクする事を忘れるのです
写真や言葉ではなかなか伝えられない世界であるからこそ「体験」して欲しいのです
時間を忘れ 疲れを忘れ 目の間に広がる非現実の世界に心躍らせる時間
良い歳した大人が子供のような笑顔で遊ぶ時間
それこそまさにアドベンチャーなのであります
そしてケイビングとは地球に残された最後のアドベンチャー体験なのかもしれません
西表島カヌーツアー&トレッキングツアーは海歩人(うみあっちゃー)アドベンチャーツアー
本格的ケイビングツアーへ参加したい方はA-3コースもしくはE-2コースへ♪